鴨川に寄せて

論理性などありはしない 自分を解くのみ

12月19日 顔

人は見た目が9割であると誰が言ったんだろう、その言葉が刺さるのは一種の真理だからだ。

私は残念ながら、美しくない。自分を客観視することは難しいけれど、さすがに22年も生きていればよくわかる。

私はごく最近まで、自分が美しくない、ということを意識的に考えたことはなかった。人並みに、美しい人を見れば、いいなぁと思うことは当然あったけれども、自分の美醜について深く思いが至ることはなかった。

きっかけは大学三年生の時に親しくしていた人の言葉だった。どんな話の流れだったかはっきりとは覚えていない。私がふざけて「私はかわいいから~」という戯言を口走った時に、彼は言った。「でも絶世の美女ってわけじゃないじゃん」、その言葉が自分でも訳が分からないほど胸に刺さった。彼はとてもかわいらしい女性芸能人の熱狂的なファンだ。その人のことを想定してそういったのであろう。

もちろん、当たり前ながら絶世どころか、美女ですらない私にとってその言葉は正しい。もう正しすぎるくらいだ。それでもわずかながらも好意を寄せている人にそう宣告されてとても傷ついた。初めて気づいたのだが、私は結構、自分の容姿に自信がない。これから先も、できる限り頑張るけれど、それでも壁にぶつかり続けるのだろう、と考えると何とも言えない気持ちになる。

顔が美しい人は、実は少し、いやかなり怖い。気おくれする。幼いころのトラウマからか?自分で世界を隔ててしまっているからだ。美しさは勇気であり、自信であり、生そのものである。

「美しさ」を真剣に問う『累』という作品に影響されたのかもしれない。

でもやっぱり奇麗な方が得だよなぁ