鴨川に寄せて

論理性などありはしない 自分を解くのみ

2月7日 大学生活

先日、卒業論文の口頭試問を終えた。おそらく、卒業することが出来るだろう。

 

私の汚く、惨めな大学生活の中でも、出会えた人がいた。そんな人のことを書こうと思う。

 

教職の授業で、私の模擬授業に対して、直接目を見て面白かったと言ってくれた女の子。時折挨拶をしてくれた男の子。私のTwitterアカウントを勝手に見つけ出して張り付き、なぜか私を評価してくれた、学内でところかまわず話しかけてきた男の子。髪を切ったり染めたりパーマを当てると、誰も気づかなくても絶対に気づいてくれた女の子。第二言語でとても仲良くなったけど、学年が上がると話すこともなくなった女の子。卒業も就職もギリギリで戦っていた先輩。弱弱しい笑顔が素敵だった女の子。就職活動が嫌になって終活後速攻リクルートスーツを処分した女の子。

志望業界が同じで、就職活動中支え合った女の子。喫茶店で将来の話をし、イタ飯屋でパスタを食べながら、恋人の話をしたのは彼女だけだった。私を名字に「さん」をつけて呼ぶ、おしとやかだけれど親しみやすい不思議な人。

関東の大学に通っていた、何回かデートした男の子。私はきっとあなたのことを好きになりかけていた。物腰柔らかなところ、ユーモアがあるところ、おそらく私に見せない暗い部分があるところ、そして文章がとっても素敵な人だった。怒られるかもしれないけれど、ちょっと今の恋人に雰囲気が似ている。彼がもし京都にいて、同じ大学で何のわだかまりもなく出会えていたら必ず好きになっていた。もしくは、彼が私と同じ高校に合格していて、同級生になっていたら、たぶん好きになって付き合っていた。けれど私は長い長い時間恋人に囚われたままだったのでこれでよかったのだ。恋人と付き合い始めて、人づてで彼が私のことを好きだということを聞いてしまった。悪いことをしたなぁと思う。だからこそ、もう私から連絡することはもうないのだろう。遠い遠い東京で、素敵な物語を書き続けてほしいと思う。

約3年間、私の情緒と体をすべてささげた元彼。たくさん傷つけて、傷つけられた人。この場所はあの人の思い出が多すぎるから、私は一生懸命忘れることにした。そうしないとおかしくなってしまう。私は薄情だからきっとこのまま忘れて悲しい気持ちもうれしい気持ちも全て封印してしまうけれど、いつか幸せになってほしいと思う。私の悪口を言う暇など、きっとないんだよ。女に依存しちゃだめだよ、もっと幸せを振りまく女の子と付き合うんだよ。さようなら。

それから高校時代から私を支えてくれた親友といってふさわしい男の子。恋人と一度別れた時、一番苦しんで、一番励ましてくれたのは彼だったと思う。本当に本当に悪いことをした。彼ともまた、うまく恋を育てることができなかった。間違って間違って道を踏み外して、とうとう私たちはただの友達に戻る事も叶わなくなった。けれど仕方がないのかもしれない、男女の友情とはこんなものなのかもしれない。ごめんね、ごめんね。

 

人を傷つけ、傷つけられ、捨てて、捨てられるような日々だった。傷つけることはすなわち傷つくことで、捨てることはすなわち捨てられるということを知った。たくさんの人と闇雲にかかわり続ける日々があって、私は精神をぼろぼろにし、今は誰からも少し離れた場所でぼんやりとしている。人と関わらない方が安定しているなんて、馬鹿みたいだ。どうすればよかったのだろう、けれど私はもう一度大学生活をやり直してもきっとこうなってしまうのだろう、という確信がある。人を信じ、人を愛することを覚えたのが高校時代で、人を傷つけ、人を捨てることしか覚えられなかったのが大学時代だった。許されたいと思う。一番好きな人を取り戻した代償として、それ以外の恋も情も捨てた私を、その選択を恐らく後悔しない私を、いつか許してほしいと思う。